タイタニック号の最期

 

 タイタニック号の沈没というのは有名な事件で、みんな、よく知ってるな。

出来たばかりの最新型大客船のタイタニック号が、それもまた、第一回目の航海の時に氷山にぶつかって、始めは大した事はないと思っていたら、どんどんと水が入ってきて、とうとう沈んじゃった。

それで、こりゃたいへんだって訳で、海岸警備隊が作られて、天候の具合や氷山の様子を調べ、大西洋の航海を安全にするようにした。

 

 所が、所がだよ、タイタニック号が氷山にぶつかる少し前に、その辺を通っていた貨物船が、今日は風の具合がおかしい、氷山が流れてくると危ない、うっかりすると、初航海で慣れてないタイタニック号危ないぞと思って、わざわざ無線でタイタニック号に注意をしてくれたんだ。

そしたらタイタニック号の返事がふるってる。

「うるせえな。こっちは大勢お客を乗せてて忙しいんだ。余計な事に電波を使かわせんな、黙ってろ」(笑声)

本当だぞ。貨物船の方は、わざわざ注意してやったのに、何言ってやがるんだ。こっちをオンボロ船だと思って小バカにしてやがる。テメエなんか、どうなっても知るもんか、と思ったろうよ。

この時に、貨物船の注意を聞いて、安全な航路をとれば、問題なかったろうよ。

でも、時刻表にせかされてたんだろう。

豪華で速い航海ってのが、タイタニックの宣伝の目玉だったんだろうから、第一回目からの大遅刻じゃあ会社の面目が丸つぶれだ。

それで、予定のコースを通ってドカンとやられておしまい。

 

 このタイタニック号の事件は、いろいろな教訓をはらんでいる。

まず、本当の友達とは、どんな友達だろうか。

授業中に「アノナ、キノウノテレビデナ」なんて話しかけられて「ソウソウ、アイツスゲエスケベダナ」(笑声)  と、おしゃべりに夢中になったり、先生が見てないと思って、小さい紙に、「お前、ここに書いてある女の中で、一番いいと思う奴だれだ」(笑声)  などなど、やってるような奴は、本当の友達じゃない。

時間中は、何を言われても無視しているんだ。

返事をすれば、また話しかけてくる、返事をしなけりゃあ相手はつまらないから、もう話しかけてこない。

そして、いやでいやでしょうがないだろうが、仕方なくなく勉強する。(笑声)

そうすりゃあ、少しは為になるだろう。

とにかく、本当の友情ってのは、時間中には相手がおしゃべりしかけてきても、無視する事だ。

こう言うのをなんて言うんだ。そうだ。シカトだよな。(笑声)

でも、休み時間等は、イジメ等しないで、みんな仲良くするのは、当たり前だ。

 

 そこで話しは戻るが、このタイタニックは大勢のお金持ちのお客を乗せていたから、そのサービスがたいへんだったろう。

沢山の電報をあっちこっち、アメリカやイギリス、フランス、ドイツと大忙しだったんだろう。

だからといって、この貨物船からの大事な情報を聞きのがして良いってもんじゃあない。

君達も毎日毎日、沢山のいろんな情報を受け入れてるだろうが、その中で最も必要な大切な物は、絶対に聞きのがしてはいけない。

最後にバカな目に会うのは自分だ。

所で、今から言う情報は大事な情報だ。

次の時間に予定していた小テストは、クラスによって進度が違っているんで取りやめにする。(歓声)

 

<脱線千一夜 第16話>  


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