ローレンス・金税(キンゼー)

 

 こないだテレビ見ていて面白いこと知ったよ。アメリカの大統領の政策顧問の話だ。

今、アメリカはとても景気が良くて、どんどん儲かり大黒字、この黒字を使って大減税をしよう。

国民は収入の半分近くを税金として政府に納めている。月曜から金曜までの働きの内、月曜と火曜の2日間は政府のために働いていて、自分の懐に入ってこない。これじゃあ国民の勤労意欲が削がれてしまう。

21世紀のアメリカが勝ち抜くには、まず、自分が働いて得た物は、自分の所に戻るように、税金を安くしなけりゃいけない。

減税こそ現在のアメリカの急務である。

とにかくアメリカは税金が高い。・・・と、言ってな、それから何て言ったと思うかね。・・・「日本ほど、ひどくはないけれど」(笑声)

こりゃ驚いた。日本の税金は高いと思ってたけれど、こんな所に引き合いに出されるとは思わなかった。

でもな。日本の税金は世界一高いから、その金でどんどんと黒字が溜まっていくかと思えば、こりゃ何と、みんなも知ってるように、反対に大赤字の貧乏国とは何じゃいな。

聞く所によると、アメリカの経済スパイをやってる奴が、政治家や経済人にいて、日本が不景気になろうともアメリカが良けりゃいいと言った政策をやってるといった話もある。

日米戦以前に戦争反対運動やって、畏れ多くも天皇陛下様様の御命令に違反するか、この売国奴め! と牢屋に入れられたり、殺されたりした者が大勢いたが、彼等こそ本当の愛国者だった。

それにひきかえ、せっせとアメリカの言うこと聞いて、日本が不景気になったって構うもんかなんて奴ばらこそ売国奴だよな。嘘か本当か、大臣の中にもいるって事だ。

 

 所でこの話をしたアメリカの政治家は、ブッシュ大統領の片腕と言われるローレンス・キンゼーと言う男だ。丸い顔して太っていて、如何にもアメリカの小父さんといった風貌の人だがね。

エ? 何だって? ローレンス・キンゼーじゃなくってローレンス・リンゼーだって。おや、なかなか時事問題に詳しいのがいるな。

そうか。あの男はリンゼーか。

税金の反対してるから、税金の反対で金税(キンゼー)かと思ったよ。(笑声)

 

<脱線千一夜 第73話>  


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