危険なコンクリートと税金の源泉徴収

 

 コンクリートが危険というのは、大分以前からのことだ。

阪神淡路大震災で高速道路の柱が折れたり、近頃、新幹線のトンネルの壁が剥がれたり、今一歩で大惨事というヒヤヒヤ物があるが、実はこの事はとうの昔から分かってたらしい。

と言うのは、一時期、工事用の砂が枯渇して、瀬戸内海の島の海岸の砂を採取して、建築現場で使われたのだ。

その時に、関西のある大学の建築科の先生が、そのようなことをすると、コンクリートが早く劣化して危険であることを警告した。

そうしたら、その先生の家にヤクザがやってきて、テメエ、とんでもねえ事、言いだしゃがる、あの発表を取り消さねえと、テメエの存在を取り消っしゃうぞ、(笑声) とドス、つまりナイフを持って脅かしに来たそうだ。

つまり、そのヤクザは建設会社に頼まれてか、さもなけりゃ、建設会社の特別な社員か何かで、その論文の為に安い砂を使えなくなって、甘い汁を吸い損なったら困るとばかり、脅かしに来たんだろう。

このヤクザとつるんでる会社や政治屋共が、マスコミに圧力かけたり、陰で色々と工作して、学者達の正論は無視されてしまった。つまり「憎まれっ子 世にはばかる」って奴だ。

悪い奴が出けえ顔してのさばりゃがるって事だな。

つまり、儲けやがったのは、ヤクザとそれに繋がった建築屋や政治屋、一般の国民は、壊れた高速道路や崩れた新幹線のトンネル等の修理に、大金を払わされることになった。

悪い奴ばらは、テメエらが儲かりゃ、そのつけが何百倍になって国民に回って来たって知ったもんかってわけだ。

 

 こんな事、国民に知らせない新聞やテレビも良くないけど、彼等は政治屋に睨まれたら、嫌がらせされて、免許の取り上げを食わされるかも知れない。

ヤクザはドスやピストル持って乗り込んでくるかも知れないし、社員の命が危ないってわけで、つまり、長い物には巻かれろって塩梅で、簡単に屈服しちゃうんだろう。全く困ったもんだよなあ。

奴等が十億円くらい儲けるために、その尻ぬぐいで、何千億円かかるか分からないって事だ。

だから、外国人に、なんて日本人は抜けてるんだ、めちゃめちゃに税金取られても腹立てずに我慢してるんだって言われてるが、これには訳がある。

と言うのは、税金の取り上げ方法だ。

 

 昔は勤め人だろうと、商人だろうと、国民一人ひとりが自分で所得を計算して、その金額をもとに税金を納める仕組みだった。

所が、戦争の足音が迫ってくると、そんな生半可な事じゃ税金ごまかす奴が多くて困る。

税金が集まらないと、戦車、飛行機、軍艦造るお金に不足する。

だから、国民の一人ひとりが自分の税金を計算すると、これっぽっちの収入なのにこんなに税金払うのか、ガタガタ文句を言い出して、構うもんか、月給貰ったらみんな使っちゃえ、無い袖は振れねえって税務署員追い返っしゃえ、みんなで税金不払い運動やれ。赤信号、みんなで渡れば怖くないって奴だ。(笑声)

これじゃ、戦争を始める前から負け戦だ。だから源泉徴収と言って、月給を配る前に税金を先取りする制度にした。

つまり、二十万円の月給で、税金が三万円だったらば、月給袋には十七万円入れて、税金の三万円は会社から直接税務署に納めるようにした。

だから、始めっから月給が十七万円のような気がして、税金納めるといった痛みを感じない。これが、消費税だと目に見えて分かるから、やれ5%だの3%だのと大騒ぎする。

こんな源泉徴収の税金先取り制度は、戦争負けた時に止めちゃえば良かったのに、国民の税金で、外国に弁償を払わなきゃならんからってわけで、ずっと悪い習慣が残った。政治屋共の都合でな。

何としても、昔のように各自が計算して税金を払うと言った方法に戻さなけりゃいけない。そうすりゃ、国民の政治に対する関心も上がる。

 

 苦労して、こんなに税金を払ってるのに、それを使って、てめえの遊びで競馬の馬なんか買ってやがってけしからん。死刑だっ!(笑声) てな事になるから、汚職も減るし、政治屋共の都合のいいところに、予算をばらまくこともなくなる。

ばらまき予算なんてのが、そもそもおかしいんだ。ばらまきなんて言うから、ずっと待ってるんだけれど、先生の所にばらまいてくれる気配は全然ないのには、困ったもんだ。(笑声)

 

<脱線千一夜 第84話> 


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