三方一両損と害霧省と賊議員の巣好き胸汚

 

 大したこたないと思う話だけど、大岡越前守の名裁判に三方一両損てえのがある。

有名な話だから、殆どの者が知ってんだろうが、知らない者の為に簡単に言うと、江戸時代に二人の町人、何でもいいや、八っつぁんと熊さんとでもするか。その八っつぁんが小判三両を落としてしまった。

畜生! うっかりしてたなあ! と悔しがったが、アレは俺の所を嫌がって、もっと居心地のいいとこに逃げてったんだから、マア、仕方ねえ、これも前世からの因縁か。(笑声)

八っつぁん、江戸っ子の気っぷのいいとこ見せて、さっぱりとあきらっめた。

所でこれを拾ったのは、熊さん。誰だ、こんな大金落っことしたバカは。そんなバカは俺の知ってる奴の中じゃ、あの間抜けヅラで有名な八の奴くらいのもんだ。(笑声)

え? 八が金落としたって? ヤッパそんなこったろうと思ったよ。てな塩梅で熊さんは八っつぁんの所にお金を持って来た。

ホレ、八コウ。テメエの落としくさった金だ。ぼやぼやしてやがるからだ。メンタマヨクムイテ気を付けて歩きゃーがれ!(笑声)

そんな事言われたもんだから、八っつぁんは八っつぁんで頭に来た。

何言いやがるんだ。いったん俺の体から離れた物は、俺のもんじゃねえや。熊公! テメエは年がら年中、野良猫みてえに、往来に何か落ちてねえか、そんな事ばかりしてやがって、こないだ、馬糞を饅頭と間違えて拾おうとしたって言うじゃねえか。(笑声)

この馬糞野郎。その金持ってさっさと失せやがれ。(笑声) と言うわけで、火事と喧嘩は江戸の花、大家さんや名主さんが来て、話を付けようとしたが収まらず、大岡越前の出番になったという事になる。

 

 大岡は事の次第を聞き、両名は共にその三両が要らないと言うのなら、私が貰おうと言って、お金を懐に入れてしまった。

こりゃ、大岡越前じゃなくたって先生だってそうするよ。(笑声)

でもこの後なんだ。八と熊の両名は中々天晴れな奴である。落とした金は自分の物ではないと言う所。拾った金は落とし主に返すと言う所。

両名とも見上げた心懸けであり、その褒美として、公儀より両名に二両ずつ与える。有り難く受領しろナンチャッテ、自分が一両出して三両を四両にして二両づつ、八っつぁんと熊さんに与えたという、つまり、八っつぁんは持っていた三両が二両になって一両損、熊さんはしらばっくれてネコババすりゃ三両儲かったのだが、それが二両になって一両損、大岡越前は自分の金を一両出して褒美にしたので、これも一両損。

そこで、三方一両損の名判決といった素っ頓狂な話だが、この変形があるのは面白い。

 

 初めは同じ。金を褒美にやるのが違う。大岡越前は二人に一両ずつしかやらない。

落とした者は、無くなってしまったと思えば一両得。拾った者は拾わなかったと思えば、一両得。大岡越前は三両取り上げて二両返したんだから一両得。つまり三方一両得ってんだそうだ。(笑声)

 

 今度の外務省のごたごたもこれと同じで、散々すったもんだの末に、田中外相、野上次官、鈴木委員長が首というので、三方一両損なんて新聞なんかに出てるけど、実際は大分違う。外相の椅子が一両だったら、次官や委員長なんてのは十文か二十文のビタ銭だ。

そうして誰よか一番損してんのは、裁判官役の小泉首相だ。敵方の派閥の計略に引っ掛かって、一気に国民の支持を失ったからな。

逆に儲けたのは、損したように見せかけて、橋本派から大臣を作って恩を売った鈴木委員長だな。

 

 インターネット見ると面白い。

福田はニヤニヤしながら、どんなもんだ、俺の作戦はなんてツラしてやがる。

野上のツラは髭だらけで、ホームレスかと思った。あんなのが公園にいると、餓鬼に殴り殺される。(笑声)

徹底して悪口書かれてるのは鈴木宗男で、あいつは外務省に巣食って餌を探し回り、ツラ見ただけでムナグソ悪くなる「巣好き胸汚」だ。(笑声) この間も、アフリカのダム工事か何かで、ある悪い会社から150億円も賄賂を取ったという話もある。

外務省は外務省で田中外相のいうこと聞かないで、鈴木宗男の言いなりになってる、外務省じゃなくって「害霧省」だ。(笑声)

それに寄生して、税金を勝手に使ってる、つまり族議員だが、あいつみたいな奴は、日本の国に仇なす「賊議員」だ。(笑声)

前の主人の中川一郎を殺したのもあいつに決まってるナンテきわどい意見もあったし、アフガンかどこかで、現地の子供達に、まるで自分の物を恵んでやるようにして、ヘナヘナ笑いしてやがった。あいつの顔見ると虫ずがはしる。地雷踏んで吹き飛ばされりゃよかったなんてナ。(笑声)

 

 何だって? キングコブラに食いつかれりゃよかったって?(笑声)

いや、キングコブラぐらいでこたえるような奴じゃねえナ。反対に、キングコブラを蒲焼きにして食おうって奴だからな。(笑声)

 

<脱線千一夜 第109話>

 


 
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