2の前→1

 

 昔「い」って言うシコ名の相撲取りがいたそうだ。

強かったか弱かったかそんな事は知らないが、この「い」ってのは、なんて読むのかね。

何? 「い」なら[i]に決まってるってのか? それじゃ、呼び出しの時にさまにならないだろう。

ヒガーアシーイ ナントカノウミーイ ニシーイ イ(笑声)

なんてんじゃ、力が入らんな。

じゃあ、何て読むのかな。分からないか。

何だって? 「いちじい」? 成る程、「い」という字が1字あるというので「いちじい」か。これは「九」を「いちじく」と読むのと同じ考え方だ。

「いちじく」は実際にイチジクという果物があるが、「いちじい」じゃ面白みがないな。他に意見はないか。ちょっと難しいか。

「い」は「いろは」の一番始めだ。一番始めを何と言う?「スタート」「トップ」か。(笑声)相撲にゃ横文字は似合わないな。

魚なんか一番前を頭、一番後を尾またはシッポなんて言う。

「頭」は何て読むんだ? 「あたま」。「とう」か。もう一声。そうだ。「かしら」だな。

お目出度いときの料理につく、魚の焼き物なんかは「おかしらつき」って言うな。

親分の事は? そうだな。「おかしら」だ。銭形平次のテレビ見てなくても、知ってるだろう。(笑声)

そうすると「い」は「いろは」のような仮名「かな」の頭「かしら」だから「かながしら」になる。そうすると

ヒガーアシーイ ナントカノウミーイ ニシーイ カナガーシラー

と言う塩梅だ。

 

 変わった名前は、以前にウオーキング大会に行った時に、前を歩いていく小父さんのゼッケンに書いてあった。

苗字は忘れたが、名前は「一一」となってる。サーテ、何と読んだら良いだろうね。

え? 「イチカズ」じゃないかって。残念、惜しかったな。どうやらその反対の「カズイチ」らしい。(笑声)

というのは「一一」と言うのをインターネットで調べたら、「一一(かずいち)」という屋号の料理屋さんがあった。

その料理屋さんと関係のある人かどうかは分からないが、まあ、こんな珍しい名前じゃ、多分そうだろう。

 

 さて、これ以上にトテツもなくて、実在したかどうか、はっきりとは分からない幻の氏名てえのがある。

ある話じゃ日本に今迄4人いたというが、当てにならない。それが、本名じゃなくってペンネームじゃ駄目だからな。

さてその幻の氏名はというと、苗字は「一」名前も「一」、つまり「一 一」というこれ以上簡単なのはないって奴で、鉛筆が減らないので経済的だ。(笑声)

さーて、これは何て読むかな。え? 「かずがしら はじめ」か。なるほどな。

「い」が「かながしら」だから「一」は「かずがしら」か。でも、少し違うようだ。これはな。自然数列で考える。

1の次→2  2の前→1

そうだ、今誰か言ったように「にのまえ はじめ」って言うらしい。(笑声)

 

 変わった苗字の中には「凸凹丸」なんてのもある。(笑声)

その通りに「でこぼこまる」なんて読むんじゃない。誰か読み方知ってるか。いないな。これは「あいまる」って読むらしい。なぜ、そう読むかは先生も知らない。

でも凸凹なんて面白いやな。みんなだったら、さしづめ「凸凹頭」だろうな。(笑声)

なんて読むかって? そうさな。「ドウモウ キケン」とでも読むんだろう。(笑声)

 

<脱線千一夜 第147話>


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