ジャイアンは○○○○で、スネオは××××

 

 以前のことだが、イラクのフセイン大統領が隣国のクェートに「ここは俺達の土地なんだが、大国が勝手に取り上げて、奴等の都合のいい植民地にしてる。けしからん。」と軍隊を進駐させたことがある。

そうだな。湾岸戦争だな。

それに対してクェートに利権を持っているアメリカ、と言うよりも、そのアメリカを動かしてる陰の帝国と言っていい国際石油資本が怒って、フセインは正義の敵だ、フセインを懲らしめない奴は悪魔とツルんでるんだなんて大騒ぎして、強引に世界中の国を見方に引き込んだ。

日本はと言うと、自衛隊は日本を守る為の軍隊で、国際石油資本をフセインから守る為のもんじゃない。憲法で決まってるから自衛隊は出さないって言ってたら、じゃその代わりに金を出せときて、すごく沢山の金をふんだくられた。あと、直接に戦争に参加しない掃海艇を出したりしたが、全く感謝もされず問題にならなかった。全く阿呆みたいなもんだよな。

この時に、主として戦ったのは勿論アメリカ軍、ベトナムで惨敗したのに懲りて、実践には兵隊を投入しないで、レーダーに写らないステルス爆撃機なんかを使って大戦果を上げた。とは言うものの目標を外して、一般の民間人が大勢犠牲になったらしい。

それから、こりゃかなわないと、クェートから退却して行くイラク軍に対して、徹底した殲滅攻撃をして、すでに戦闘能力を失っているイラク軍の兵隊を皆殺しにした。

もうこれ以上は戦えないと言う相手をメチャメチャにやっつけるのは、広島長崎の原爆以来のアメリカのお家芸だよな。

 

 とにかくこんな塩梅で、アメリカは「この世をば 我が世ぞと思う・・・」なんて言った藤原道長みたいな勝手放題の権力者だ。言うならばドラエモンのジャイアンみたいだ。(笑声)

でもジャイアンには苦手な人がいる。誰だろ? そうだな。ジャイアンのお母さんだ。(笑声) それからカニみたいな顔してる先生もいたな。(笑声)

場合によっちゃあドラエモンが魔法でジャイアンを懲らしめたりする。でも、アメリカにはこういった人が居ないから、のさばり放題だ。

所で、又、一方じゃ口先は上手だが、腹じゃ何考えてんのか分かんないってのもいる。

何? シズチャン? シズチャンがどうかしたかよ。あんなに可愛い子がノビタなんかの彼女になって結婚するなんておかしい。バカだ。もっといい男を捕まえられるって?(笑声) お前、ノビタにヤキモチ焼いてんのかよ。(笑声)

本当の所はって言うと、そうだな、スネオだ。スネオはうまいこと言っちゃジャイアンの機嫌を取ってるが、腹の中じゃ、このバカ、落とし穴にでも落っこちりゃ面白えなんて思ってる。(笑声) そのくせ、自分が落っこっちゃう。(笑声)

じゃ、世界でスネオみたいな国はどこだろうか。え? 日本? いやいや日本はドラエモンに助けて貰えないノビタ以下だ。つまり、ジャイアンの使いっぱで、何やっても間抜けで殴られてるんだ。ロシヤ? ロシヤは始めっからアメリカにホイホイなんてしてないよ。イギリス? 違う。ドイツ? 違う。フランス? そうだ。フランスはスネオ的なんだ。それもなかなか頭が良くって、いくらかデキスギ系も入ってるってんだ。(笑声)

 

 なぜフランスがスネオ的かというと、この湾岸戦争の時のことだ。

アメリカさん、あんたの言い分は全く正しい、是非とも我々フランス軍も多国籍軍の一翼に加えて頂きたい。我が勇猛なるフランス軍兵士は、貴アメリカ軍の友軍として十分に任務を遂行するであろうなんて、調子のいい声明を出した。

だがそれからが問題、議会で、フランス軍は多国籍軍の中ででのような任務に就くのか、それはどのような法律に基づいての行動か。ナニヤカンダケンケンガクガクの騒ぎ。

さあ話が決まって軍艦を出発させるとなると、ここを直すべきだ。そこを直したらこっちはこのようにしないとまずい。持っていくのは何を重点的にしたらいいか。そんなには積めないから何を選ぶべきか。何々を試運転したらうまくいかない。どうもあの部品が問題らしいから交換だ。じゃあ交換したらうまくいったか。駄目か。じゃこっちの部品を交換して見ろ。それでも動かないか。仕方ないから、始めから軍艦を作り直しするか。(笑声)

まさかそうでもないだろうが、何やらすごく手間を食って遅れてしまう。何とかペルシャ湾に来たときには、もう戦争は終わっていたってわけだ。(笑声)

何とも頭いいね。口先では賛成しておきながら、やって来たのは戦争が済んでから。やはりヨーロッパの国だけあって戦争慣れしてる。

第一次大戦と第二次大戦の二回とも国土をドイツに占領されてしまったが、そのたびにイギリスやアメリカを使ってドイツ軍を追い払わせ、最後には戦勝国になってる。

 

 あとフランスが他の国と違ってることと言えば、それは、国内の発電の殆どを原子力に依存してるんだ。

原子力発電をすると、放射性物質を含む灰が沢山出てそれの始末に困るとか、チェルノブイリに見られるような大事故を起こさないとも限らないとか言って環境団体が反対してるが、ナーニ、この国際石油資本に騙されて、お先棒かつがされてるのさ。

前にも言ったけど、石油使ってる限りはこの国際石油資本に首根っこを押さえつけられてるから何とかしようと、以前に日本の田中首相とオーストラリアのホイットラム首相とが原子力発電をする密約をしたら、なんのかんのと因縁を付けられて、二人とも政治家を辞めさせられちゃった。

でも辞めさせられる位ならまだいい。当のアメリカのケインズ大統領なんかは暗殺されちゃったな。

この辺、フランスはたいしたもんだ。ドイツ軍に占領されてたのをアメリカ軍に救って貰ったのに、それはそれ、これはこれ、国際石油資本なんてナンジャラホイってな調子で、原子力発電一辺倒だからな。

たしかに国際石油資本をのさばらして、売りつけられた石油をじゃんじゃん燃せば、二酸化炭素が空気中に増えて、気温は上昇、海面も上昇、でもそれ言ったら国際石油資本は破産だ。だから、原子力発電は危ないぞ、石油買え、石油買えってマインドコントロールしてる。

何しろ、人間てえ生き物はこのマインドコントロールに弱い。天皇陛下は神様だ、神様の国は絶対戦争には負けないんだ、なーんて毎日聞かされてると、本当にそんな気がしてくる。

逆にアメリカ人に原爆の残虐性の話をすると、じゃ真珠湾の騙し討ちはと言い返してくる。原爆が何十万人の一般市民を虐殺してることは伏せられていて、あくまで軍事基地への攻撃だと思いこまされている。ウソも一万回聞かされれば本当のように成っちゃう。

真珠湾の時に日本の飛行機が狙ったのはあくまでアメリカ軍の軍艦や軍事施設、でも軍艦と言っても、もう時代遅れの戦艦で、日本軍の大空襲があるだろうと分かってたから、大切な航空母艦は隠してあった。

つまりアメリカは日本に案山子を壊させて、ほれこの通り日本は卑怯者だと大宣伝し、うまく自国民をマインドコントロールしたって訳だ。

宣戦布告が遅れたのは、外務省の役人共のバカがやったんで、こりゃ何と言われても仕方ないが、爆撃したのはあくまで軍艦や軍事施設、造船所や石油タンクなんかは民間の施設だからと言うんで手を付けなかった。

もしも造船所や石油タンクを爆破してしまえば、アメリカ軍の反撃は半年くらい遅れたろうって言う話がある。

でも半年じゃどうしようもねえな。日本でも原爆の研究やっていた。然し、話によると金も物もなくって、完成するまでに100年かかるとの事だったらしいよ。(笑声)

 

<脱線千一夜 第103話>


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