暴力団対策法

 

 以前、国会で暴力団対策法と言うのが審議され、それまで、勝手気ままな事をしていた暴力団や、チンピラヤクザを取り締まる事が決まった時のことだ。

この法律を審議していた最中に、こんな法律を決められたら、自分達の金づるが無くなっちゃうってわけで、暴力団の奥さんや子供達が、こともあろうに、国会に「暴力団対策法反対」のデモ行進をやった。(笑声)

それだけじゃない。ある町で、暴力団追放の分かりやすい「ぬり絵」を作って小学校の低学年にやらせた所、こんな事やらせたら、うちの子が学校でイジメに会うって、暴力団が学校に怒鳴り込んで来た。(笑声)

こりゃあ一体何じゃい、自分が暴力団やってるから子供がイジメに会うんだったら、自分が暴力団やめりゃいいんだ。

親に迷惑かけるんだったら不孝者だけど、子供に迷惑かけるんだから不育者だな。

結局、その町じゃあ、せっかく作ったその暴力団追放の「ぬり絵」を回収して捨てちゃったと言う事だ。(笑声)

学校や役所まで暴力団に遠慮してんだから、暴力団の家族のデモにしろ、このぬり絵の事にしろ、なにしろ日本はおったまげる程バカな国なんだって、アメリカの新聞に出ていたそうだ。(笑声)

 

 アメリカ人は半分近くが、キリストの復活だとか、ノアの箱船なんかを本気で信じていて、進化論、つまり人間も猿も共通の祖先から変化したもんだなんてのは嘘、神を冒涜するのも甚だしい、なんて言ってるのを聞くと、なんてアメリカ人はバカなんだろう、と思うけれど、この全く反対だよな。

とにかく、日本は、役所や学校までヤクザに遠慮しなけりゃならないなんて、全くおかしな事で、アメリカ人でなくても、みんなだってそう思うだろう。

 

 まあ、こんなふうに、日本はヤクザ天国だなんて言われてるけど、問題はナ、この事は、学校でも一般社会でもある事だけど、まじめな、きちんとした行動をしてる者がバカにされて、不まじめな、悪い奴がデカイツラしてる事が多い。

正しい者が何となく遠慮して肩身の狭い思いをしてる一方で、ワル共がつまりコワモテって言うわけで、いばりまくってやがる。

みんなも、思いつく事があるだろう。

先生はバカが付く位の正義漢なんだから、こんな風に悪い奴らがデカイツラしてるとメチャメチャに腹が立つ。

今の日本は、政治家や経済人が、けっこう暴力団とかかわりがあるので、それが一番問題だ。

政治家や経済人が暴力団と縁を切れば、それだけで、日本はぐっといい国になり、ノアの箱船を本気にしてる科学に無知な連中にバカにされずにすむ。

確かに「暴力団対策法粉砕」なんてデモ行進は「暴力教師大賛成」みたいに可笑しなもんだ。だけど、これだったら、先生は旗作って先頭に立つから、みんなついてくるかね。(笑声)

 

<脱線千一夜 第4話>  


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