税金と学校

 

 今、三つの数を書くから、何の事か見当をつけてごらん。

小  577000

中  597000

大  596000

おかしいね。597000と596000じゃあ大小関係が反対になってるね。だからちょっと直します。

実は、大でなくって高です。と大を消して高と書くと、さあ、もう分かる人多いだろう。

え、そうだ。学校。小中高と学校だ。小は小学校、中は中学校、高は全日制高等学校であります。

では、その後の数字は何でしょう。何だって? 学校の数、冗談じゃないよ。こんなには無いよ。

何? 先生の数、これも違う。

給食のおばさんだって?(笑声)

まさか、と、正解が出ないから答を言うと、一年間の一人当たりの費用であります。

費用と言っても制服や遠足なんかは違う、区や都で出すお金です。

 

 私立の学校は、一部、都や区から援助があるけれど、基本的には月謝として集金するが、義務教育の小中学校では、君達のお父さんやお母さんから、全然月謝をもらっていない。全部、区の費用でやっている。

つまり区では君達の一人一人に一年間に60万円も出しているんだ。どんな怠け者にも出してんだ。

こんな税金の無駄使いは無いような気がするんだけどなあ。

これを1時間あたりにすると約600円になる。何と600円だぞ。

600円ありゃあ天ぷらそば食えるし、カップアイスだったら6個買える。(笑声)

どうだい。カップアイスを6個買って帰りにそのうちの1個を道に落としちゃって、あっという間に自動車に轢かれてグジャグジャになっちゃったたら、うわあ勿体ねえと思うだろう。その時の顔が目に見えるようだな。(笑声)

所が授業中に何分かポケーッとしていたり、ノートにマンガを描いていたりして先生の話を聞かなかったら「うわあ勿体ねえ事した」って悔しがるかい。(笑声)

ここだよ、問題は。

 

 毎時間毎時間一生懸命に勉強して、今日一日6時間、3600円分も勉強した。ずいぶんと稼いだ。お母さんのパートの4時間分だ。(笑声)

逆にポケーッとして何にも頭の中に残ってなけりゃあ、3600円が無駄だ。給食っていうと欲張ってガツガツ食う奴がいるが、3600円は給食なんかとは比較にならない金額だ。 

 さて、じゃあ、お母さんのパート代に負けないように、天ぷらそば一杯分の数学勉強始めるか。(笑声)

 

<脱線千一夜 第14話>  


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